今年の七夕は、この日にしては珍しく雨に降られなかったけれど、
彼らは無事に昨夜、一年ぶりの逢瀬を果たすことができたのだろうか。
短冊に願いをこめるなんてことは、もう遥か昔に当然のようにやめてしまったことではあるが、
空を見上げることすら、私はすっかり忘れてしまっているようだ。
なんとも嘆かわしい。
こちらのテレビのメガネ屋のCMで、以前こういうものがあった。
「もし、またもう一度人生をやり直せるとしたら、また同じ道を辿りますか?」
うろ覚えだが、こんな感じの質問を投げかけられた相手方は、イエスと答えたあと、
「でも、メガネは最初から**のメガネをかけるね」という、確かそんな具合だったと記憶している。
もし人生を最初からやり直せるなら。
誰しも一度ぐらいは考えたことがあることかもしれない。
私はというと、できることなら、やり直しなんて絶対したくないと思ってしまう。
確かに、今よりも幸せをたっぷり感じられる時代というものもあって、あの頃を懐かしむことはあるけれど、
かといって、もう一度あの時代に戻れ、なんて言われたら、きっと私はノーと言うだろう。
そう思える私は、幸せだということなのだろうか。
大して苦しい目にも遭ったことがないのだから、当然と言えば当然なのかもしれない。
飢えも貧困も痛みも辛さも知らない、甘い甘い子供の私。
私のこの短い人生においても、何度か岐路があった。
選ばなかったほうの道を選んでいたら、今頃どうなっていたかな、そう考えることはあるけれど、
そちらを選べばよかった、と本気で思ったことは一度もない。
先行きは不安だらけで、気がつけば不満を口にし、これから先も何の保障もない道を歩きつつも、
実は案外、私は今のこの状況に満足しているのかもしれない。
「なるようにしかならない」は私の父の口癖であるが、私も今、そんな気がしている。
もう一度私が私として人生を再スタートしたなら、きっと私は今までと同じことをするに違いない。
ああすればよかった、こうすればよかった、そんな些細なことは山ほどあるけれど、
基本的な大筋は、きっと同じ。それは、私が自分で考え、自分で選んできた道だから。
同じ学校に通い、同じ友達と仲良くなり、同じ先生を慕い、
同じ人に恋をして、同じ人に失恋し、日本の大学を卒業後は、やっぱりドイツに来てしまうんだろう。
人に言わせれば、それがいくら逃げの道だと言われたとしても。
織姫がもし、もう一度人生をやり直したなら、それでもやっぱり彦星に恋するのだろうか。
彼らは無事に昨夜、一年ぶりの逢瀬を果たすことができたのだろうか。
短冊に願いをこめるなんてことは、もう遥か昔に当然のようにやめてしまったことではあるが、
空を見上げることすら、私はすっかり忘れてしまっているようだ。
なんとも嘆かわしい。
こちらのテレビのメガネ屋のCMで、以前こういうものがあった。
「もし、またもう一度人生をやり直せるとしたら、また同じ道を辿りますか?」
うろ覚えだが、こんな感じの質問を投げかけられた相手方は、イエスと答えたあと、
「でも、メガネは最初から**のメガネをかけるね」という、確かそんな具合だったと記憶している。
もし人生を最初からやり直せるなら。
誰しも一度ぐらいは考えたことがあることかもしれない。
私はというと、できることなら、やり直しなんて絶対したくないと思ってしまう。
確かに、今よりも幸せをたっぷり感じられる時代というものもあって、あの頃を懐かしむことはあるけれど、
かといって、もう一度あの時代に戻れ、なんて言われたら、きっと私はノーと言うだろう。
そう思える私は、幸せだということなのだろうか。
大して苦しい目にも遭ったことがないのだから、当然と言えば当然なのかもしれない。
飢えも貧困も痛みも辛さも知らない、甘い甘い子供の私。
私のこの短い人生においても、何度か岐路があった。
選ばなかったほうの道を選んでいたら、今頃どうなっていたかな、そう考えることはあるけれど、
そちらを選べばよかった、と本気で思ったことは一度もない。
先行きは不安だらけで、気がつけば不満を口にし、これから先も何の保障もない道を歩きつつも、
実は案外、私は今のこの状況に満足しているのかもしれない。
「なるようにしかならない」は私の父の口癖であるが、私も今、そんな気がしている。
もう一度私が私として人生を再スタートしたなら、きっと私は今までと同じことをするに違いない。
ああすればよかった、こうすればよかった、そんな些細なことは山ほどあるけれど、
基本的な大筋は、きっと同じ。それは、私が自分で考え、自分で選んできた道だから。
同じ学校に通い、同じ友達と仲良くなり、同じ先生を慕い、
同じ人に恋をして、同じ人に失恋し、日本の大学を卒業後は、やっぱりドイツに来てしまうんだろう。
人に言わせれば、それがいくら逃げの道だと言われたとしても。
織姫がもし、もう一度人生をやり直したなら、それでもやっぱり彦星に恋するのだろうか。