次なる目的地はゴルド。手元の地図と、標識を頼りに車を進める。
道路は次第に細く、周りの風景は更に田舎に。
道中、本当に辿り着けるのか不安になりながらも、どうにかそれらしき所へ到着。
車を停められる場所があったので、坂の途中で降りてみた。
と、目に入ったのがこの風景。ガイドブックそのままの絵がそこにはあった。
左手にはゴルドの村、右手にはリュベロンの美しい平野。
この小さな画面、しかもわたしの拙い写真では、このときの私の感動を伝えきれないけれど、
なんて美しいのだろう、としばし呆然と立ち尽くしていた。
この辺りは何故だか、どこも石造りの家ばかりだ。塀も壁も石を積み重ねられて出来ている。
ここゴルドも例外ではなく、どこもかしこも白い石で覆われていた。
村の中心部はスペースがなかったので、少し離れたところに車を停めた。
車のすぐ脇には、やはり間から蛇でも出てきそうな塀があった。
村の中は普通に観光地。土産屋なども思ったより多い。
この小さな村には不釣合いなほどの、たくさんの人で賑わっていて、
何だかテーマパークにでも来たような気分になった。
見所は特にこれといってないけれど、かわいらしく居心地の良い村。
わたしはここで、ずっと欲しいと思っていたものに出会えたこともあって、
ああ、なんて素敵な所なんだろうと、もうそれだけで大満足だった。
一番最後にふらりと入った所に、オリーブの木で作った作品がたくさん並べられていた。
このカップの前で立ち止まっていると、なにやらおじさんが話しかけてくる。
どうやらこれを作ったのはその人で、こうやって自ら営業しているようだった。
フランス語は分からない、と言うのに、ひたすらフランス語で話しかけられるのには、
ちょっと参ってしまったけれど。