毎年のように書いていることだが、ドイツの11月は私にとって一年で最も憂鬱な一月である。
寒さは日毎に増し、太陽を拝める日は少なく、出掛ける気すら起こらない。
これが12月になれば、クリスマスマーケットのおかげで街がぐっと華やぐのだから、
ほんの少しの辛抱、と耐えるのが常だったが、今年はちょっと違った。
先週など、なんとあろうことか20度を越えるような好天に恵まれて、
思わず11月であることを忘れてしまうほどだった。ついでにここがドイツであることも。
日本の、気持ちのいい秋晴れの空を思い出して、少しだけきゅんとなった。
乳母車(そう、「ベビーカー」というより「乳母車」と言う方がしっくりくる、古いもの)を押しながら、
街路樹の下を歩く。すっかり黄葉して落ちた葉っぱを踏みしめつつ。
一歩進むごとに、かさ、かさ、と気持ちのいい音がする、黄色いその絨毯は、
低い位置にある陽の光を浴びて黄金色に輝いている。
ああ、秋はこんなに眩しいものだったのか、初めてそう思った。
新しい家のバスルームから、ある日ふと窓の外に目をやって驚いた。
色とりどりの洗濯物が風に揺られているのだ。
ドイツは景観上の理由から、外に洗濯物を干すことは禁じられている。
おそらくここは中庭だから許されてるのだろうが、今まで目にしたことのなかった光景に、
ここはイタリアかスペインかそれとも南仏か、と不思議な気持ちになった。
休みの日になると更に量の増す洗濯物。
あれ、日曜日は洗濯機、回しちゃいけないんじゃなかったっけ?
ますますドイツっぽくないなあ、と何だか愉快な気分に。
残念なのは、うちのアパートからは洗濯紐が伸びていないこと。
滑車でくるくる、洗濯物を干したり取り込んだり。
家の中で乾燥機を回すより、よっぽど味があるではないか。
うーん、私も仲間に入れてもらえないかしら。
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