趣味の話をしていて、わたしは編み物だとかお菓子作りだとかが好きなのだと言うと、
ギョッとされる、とまではいかないものの、非常に驚かれることが多い。
いかにも女の子らしい趣味は、どうもわたしのキャラクターに似合わないらしい。
そういえば大学生の頃、スパイスがたくさん並んだ我がキッチンを見た友人は、
「魔女の実験でもするの?」なんて失礼なことを言ったっけ。
ガサツで図々しくてお酒に強くて部屋は汚くて料理は決してしない…わたしのイメージは大方そんなところのようだ。
だから、かわいい雑貨に目がない、なんて言うと、
やっぱり「えー、意外ー!!」って言われちゃうんだろうな。
写真は滞在中、よく通りかかった雑貨屋さん。
子連れだとなかなか店内でゆっくりすることができないのが残念なところ。
この旅最後の目的地、支笏湖に到着。
飛行機の時間になるまで、ここで過ごす予定にしているのだが、
さて、何をして過ごそうか、と辺りを見渡した時、すぐさま目についたのは、このボート。
実はわたし、これが大の苦手。
広い湖の真中に浮かんでいる自分を想像しただけで、世界中から取り残されたような気分になって、
本当に陸地に戻れるんだろうかとドキドキし始めてしまうのだ。決して大袈裟でなく。
でもこのかわいらしい白鳥を見てしまった息子が、黙っているはずもない。
嫌だ嫌だと思いつつ、湖上の人になってしまう羽目に。
岸が離れていくにつれて、不安な気持ちは倍増。
それどころか、ある注意書きが目に入って、いてもたってもいられなくなる。
だって、「この先はダムです。こちらには近づかないように」なんて書いてある方向に、
何故かボートが吸い寄せられて行くのだから!
空の上は平気だけれど、水の上はどうにもこうにもダメなのだ。
怖いったらありゃしない。
結局、既定の時間よりも随分早く、岸に戻ってもらった。
スワンボートでゆったりのんびりした時を過ごす、なんて、わたしには永遠に無理かもしれない。
そんなこんなの北海道最終日。
実に楽しゅうございました・・・
翌朝、ペンションで美味しい朝食を頂いたあと向かったのは、ニセコ乗馬ビレッジ。
今日のお馬さんはこの6頭らしい。
どの子に乗せてもらえるのかしらとイラストを見つつ、順番が巡ってくるのを待つ。
息子は初めてなので、やはり一人で乗るのは怖いらしく、夫と二人でいざ出発!
普段とは目線が随分高いので、とにかく楽しかったらしい。
二人が帰ってくるまでわたしは暇なので、うさぎと戯れてみたりして。
ヤギに挨拶するのもそこそこに、次なる目的地へ。
少々慌ただしいが、なんといっても今日は旅の最終日、仕方あるまい。
今夜泊まるペンションに帰る前に立ち寄ったのは、ニセコのミルク工房。
ヨーグルトやアイスクリームなど、ミルク製品をこよなく愛す、我が家の二人の男子のために、と
旅行前からぜひここには行ってみようと思っていたのだ。
何が素晴らしいって、ここから眺める羊蹄山の美しいことといったら!
さすが蝦夷富士と呼ばれるだけのことはある。
息子はお目当てのアイスと飲むヨーグルトを堪能したのち、
お庭に出て綺麗に咲き誇る花々の合間を縫いながら、蝶や蜂を追っかけて楽しげだった。
なかでも気に入っていたのがこれ。
帰るよー、と何度言っても、なかなか降りてくれなかったほど。
ハンドルには目がないのだから、仕方ない。こういうところはやっぱり男の子だなあと思う。
また来ようねと言い聞かせ、二三お土産を買い、ペンションへと戻った。
こうして、名残り惜しく思いつつも、長い一日が終わったのだった。
積丹半島から南に100kmほど移動し、次なる目的地、ニセコに到着。
まず最初に出かけたのは、小樽海岸国定公園 国有林神仙沼である。
神仙沼…神と仙人が宿る沼、といったところだろうか?
名前からしてもう神秘的で、沼を見る前からワクワクしてしまう。
ところが駐車場に着いてみれば、辺り一面濃い霧がたちこめている。
1m先は何も見えないほどで、少し怖いぐらいだが、恐る恐る進む。
すると次第に霧が晴れてきた。看板もちゃんと読める。
あと残り330mか。子供でも余裕で歩ける距離のようで、ホッとする。
沼まで続く細い木の道をさらに進む。
霧も神秘的で良いのだけれど、きれいに晴れた湿原も見たかったなと思いつつ。
本日のトップの写真である、神仙沼に着いたのは、駐車場を出て20分後ぐらいだったであろうか。
そのころには辺りは視界良好で、目の前には美しく静かな湖面が広がっていた。
でも正直、こんなものか、という印象。少し期待しすぎたか。時期のせいかもしれない。
帰り道。こんなに平坦で歩きやすい道にも関わらず、息子は夫に抱っこをせがんでいた。
神威岬で力を使い果たしたみたい。やっぱりまだまだ三歳なのだ、とちょっと安心したりして。
宿を出て向かうは神威岬。相変わらずの曇り空で少々テンションは下がり気味。
夫はあまり調子が宜しくないのか、岬の先まで行く元気はないという。
なのに当時三歳の息子だけは大張りきりで、「絶対最後まで歩く!」と言い張るので、
帰りはおんぶすることになるのだろうなあと、いささか気が重くなりながら、二人で歩いて行った。
わたしを置いて、どんどん先へと進んでいく息子。
この調子だと本当に歩ききってしまうかも、と淡い期待を抱きつつ、前へ前へ。
しかし何故子供の足だから、歩けども歩けども、なかなかゴールは見えてこない。
途中荒れる海を眺めたり、足元の植物や虫を観察したり、そこらへんに転がっている石を集めてみたり。
そんな調子だから、きっとほかの人より随分時間がかかったと思う。
それでも、結局一度も泣き言も言わず、ついに岬の先端に到着!
天候のせいで、期待していた積丹ブルーは拝めなかったけれど、お目当ての神威岩を見ることは叶った。
息子よ、よく頑張った!
帰りも、関西からいらっしゃったというご夫婦に励まされ、まるで本当の孫のように手をひかれて、
随分と楽しそうであった(その節はどうもありがとうございました!)。
子連れの旅では度々こうやって、見知らぬ人に助けられることがある。
本当にありがたいことです。
蒸留所をあとにして、お次は島武意海岸を目指す。
天気も相変わらず悪いので、ここいらでお昼にしようかと、適当に店に入ったのだが、
ここで頼んだ海鮮丼が絶品だった。ウニのまあなんと美味しいこと!
今まで食べていたものとはまったく別物で、お醤油なんて必要ないほどのお味。
食後は島武意海岸へ行ってはみたものの、なにせひどい天気なので、写真もロクに撮らず引き揚げ、
今夜の宿へと向かうことに。ここもなかなかのアタリだった。
その周辺では一番リーズナブルなお値段だったから、失礼ながらさほど期待していなかったのだけれど、
古いながらもお部屋は広く(確か十畳の部屋を二間あてがわれた)、
まるで祖父母の家に遊びに来たかのような雰囲気の中、
出された料理も大変に美味しく、終始リラックスできる滞在となった。
ただ、お風呂はなかったので、近所の日帰り温泉に行ったのだけれど、
そんな不便さを差し引いても、ぜひまた泊まりたいと思った。
ああ、民宿って素敵。
この夜、息子は珍しく夜泣きをしたのだけれど、夜中その声につられてか、
窓の外にキツネが現われて、おかげで息子の機嫌も少しよくなった、というのも今ではよい思い出。
翌朝、これまた美味しい朝食の後、息子はなんと宿のおばあちゃんからお小遣いまで頂き、
ニコニコ顔でまた次の目的地へ向かったのだった。
ニッカウヰスキーに着いたのは、ちょうど雨が降り出した頃だった。
受付で傘を借り、生憎の空模様の中、散策を開始。
わたしがどうしてもこの蒸留所に来たかった理由、それはもちろん試飲!
お酒に弱く量は飲めないのだけれど、ウイスキーはブランデーの次に好きなお酒なので、
今回の旅が決まってから、ここに立ち寄ることを本当に楽しみにしていたのだ。
展示室などそこそこに、ひたすら試飲コーナーを目指すわたし。
ドライバーの夫には申し訳ないが、一人にんまりしつつ堪能させていただいた。
ああ、満足満足。
もちろん念願の試飲もよかったのだけれど、思いがけずこちらのお庭は楽しめた。
ここそこに樽でできた鉢植えが飾ってあり、これがなかなか素敵なのだ。
足元は悪かったけれど、雨の蒸留所はしっとりとして、美しかった。
家の近所にこんなところがあったら、毎日のようにふらりと寄ってしまいそうだ。
たとえ試飲できなくても。笑
ヨーロッパ滞在中は散々利用していた格安航空会社。
Ryanair、Air Berlin、EasyJet、Germanwings…どれだけお世話になったことだろう。
片道1ユーロ、なんて嘘みたいな値段設定がなされているときもあって
(実際は税金やなんだかんだで、1ユーロぽっきりで飛行機に乗れるわけではないのだけれど)、
今度はどこへ行こうかと空想するだけで随分楽しかったものだ。
それがまさか、日本にも登場していたとは。
今回は羽田からAirDo(北海道国際航空)に乗って札幌へ。
格安航空券だけあって、早朝の出発だったけれど、機内で出されたコーヒーの美味しいことと言ったら!
空の上で頂いたコーヒーの中では断トツのお味で、眠気なんて吹っ飛ぶほど驚いたのだった。
一日目は定山渓温泉にて宿泊し、翌朝、積丹半島方面へと車を走らせる。
途中、どうしても行ってみたかったニッカウヰスキー余市蒸溜所へ寄ってもらうことにした。
ニッカウヰスキーでの様子はまた後日として、その前に今回の旅のルートを。
A 新千歳空港
B 定山渓温泉
C 余市
D 島武意海岸
E 神威岬
F ニセコ
G 支笏湖
H 新千歳空港
では次回に続く。
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