フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズで特筆すべきは、まずこの白い岩肌だろうか。
目の前に迫ってくるようなその様子は、どこまでも続く平地を多く見てきたこの旅行の中では、
随分特異なものとして、わたしの目には映った。
所々、丸い洞穴のような大きな凹みがあったりして、一体どうやって開いたのだろうかと、
あれやこれやと想像するだけでも楽しい。
もう一つ、忘れてならないのが、この村を流れる水の美しさ。
普通なら、覗き込むのも憚られるほど、ゴミなどで汚れていそうな橋の袂も、ほら、ご覧のとおり。
川の中で、こんなに清らかな流れに水草が揺れているのを見たのは、これが初めてのことだった。
この小さな山奥の村に、毎年100万人もの観光客が訪れるというのも頷ける。
心が洗われるような思いで、もう一度ぐるりと辺りを見渡して、それから車に戻った。
この旅の最後に、ここに訪れることが出来て、本当によかったと思いながら。
これにてプロヴァンス旅行記、終了。
長らくお付き合いありがとうございました。