ドイツで初めての動物園は、思いのほか素敵な場所で、
開放的で快適な空間が広がっていた。
動物園というより、大きな公園にでも来ている感じ。
広い敷地内には川が流れ、ボートに乗って楽しんでいる人もいる。
凶暴な動物はもちろん檻に入れられてはいるのだけれど、
草食動物などは柵すらないところもあって、
閉じ込められてかわいそう、という思いが沸いてこない。
もちろん、動物たちにとってはいい迷惑にはかわりがないだろうが。
孔雀の脇を通り、アシカにこんにちはだけ言って、それからシロクマに会いに行った。
クマってこんなに大きかったっけ、と思う。
きっと息子は、この自分の何倍もある白い巨大な動物と、
うちにある小さなテディベアが、同じ熊だ、なんて夢にも思っていないだろう。
シロクマは退屈なのか眠いのか、ずっと欠伸ばかりしていた。
見世物にされている毎日に、飽き飽きしているのかもしれない。
でも、おかげさまでわたしたちは楽しめました。シロクマさん、ありがとう。