先月撮ったものからいくつか。
ドイツで暮すようになってから、11月は一年で最も苦手な季節だった。
12月になれば、クリスマスマーケットで街は華やぐ。
年が明ければ雪のおかげでほのかに明るくなる。
が、11月は暗い。空はどんより曇り、日増しに寒さは募る。
そのせいで、どうしても鬱々とした気持ちが蓄積されて、
ついに息苦しくなってくる。
そんな11月のある日のこと、昼過ぎてからほんの少しだけお日様が顔を出した。
今を逃してはならぬ、と急遽その日の予定を変更して散歩を決行。
観光客のように街を練り歩いて、幸せな気分に浸ったのだった。
街の中心近くの噴水で休憩。
まだ三時過ぎだというのに、既に暗くなり始めている足元の色を見て、
ああ、11月ってこんな色なのかもな、と思った。
11月が少し好きになった。